
スギゴケの仲間であるオオスギゴケとウマスギゴケ。なんだか見た目が似ていて見分けにくい苔ですが、その苔達の見分け方についてご紹介いたします。
良く見かけるスギゴケの仲間
スギゴケは苔庭などに利用されることが多い苔で、自然の中でも林床などで見かけることの多い苔でもあります。
スギゴケにもいくつかの仲間があり、単にスギゴケと呼ぶ場合にはオオスギゴケかウマスギゴケを指すことが多いようです。
どちらのスギゴケも名前の通り、杉の小さな苗にそっくりでスギゴケを知らない人は杉の苗が生えてきていると思うことがあるかもしれません。
そんなオオスギゴケとウマスギゴケですが、成長度合いや生育環境によっては非常に姿形がそっくりになることがあり、専門家でも顕微鏡を使用して葉の断面を見なければ識別できない場合もあります。
そこまでそっくりだとあえてしっかりとした名前を知る必要もないかもしれませんが、ちょっとした特徴を知っておくことで識別できることもありますので、そんな特徴についてご紹介しておきます。
ウマスギゴケとオオスギゴケの違い・特徴
ある程度成長して茎が長く伸びている場合、ウマスギゴケは茶色くなった茎の下の方が倒れて地面を這い、緑色の上部だけがまっすぐと立ち上がっています。
逆にオオスギゴケはすぐに倒れ込む事はなく、年月を重ねていきますので葉のつき方などでその苔の成長過程を知ることができます。

オオスギゴケを一本だけ引き抜いて見ると先端が緑色で下の方に向かうほど茶色くなっていることに気がつくはずです。
さらに所々に他と比べて小さな葉がついていることに気がつくでしょう。
それはオオスギゴケの地上茎が数年に渡って成長していることを示しており、冬になると低温と乾燥でコケの成長が鈍るために葉が小さくなります。
そして冬を越して早春を迎えるとコケの成長は活発になり葉を大きく広げるようになります。この年間の温度や湿度の差がオオスギゴケの茎葉にしっかりと刻み込まれているのです。
このような茎の特徴の他にも、葉が乾燥してくるとウマスギゴケの葉は茎に張り付くようになりますが、オオスギゴケの葉は先端が少し反り返ったようになる傾向があります。