スギゴケと呼ばれるものには数種類あり、園芸ではコスギゴケ、ウマスギゴケ、オオスギゴケなどがスギゴケとして扱われています。それらスギゴケと呼ばれる仲間の特徴と好む環境や育て方についてご紹介いたします。
コスギゴケの特徴と好む環境
コスギゴケは明るい場所にしばしば大きな群落をつくり、スギゴケ科の中でも比較的人里近くでもよく目にする苔です。
平地で見られるのはほとんどがこのコスギゴケで割合日当たりのよい土手や半日陰の土の上などを好みます。
名前の通り小型のスギゴケで茎は長さ1〜4cm程度で葉は青みがかった白緑色で乾くと著しく縮れるのが特徴的です。
コスギゴケは他のオオスギゴケやウマスギゴケと違い茎の成長がある程度の長さで止まるため管理はし易い苔と言えます。
育成には用土に常に湿度を保てるように管理することで比較的簡単に育てることができます。
ウマスギゴケとオオスギゴケ
その他のスギゴケは苔庭では石組みともよく合い、もっともよく使われている主要な大型の苔です。
低地から山地のやや日陰地の湿った地上や腐葉土の溜まるようなところに群生し、山の急斜面の岩盤の多いところなどにもよくみられます。
乾燥に強く、茎は針のように硬く、枝分かれせず、毎年伸び続けますので主茎の長いものは20cmくらいのものまであります。
葉は茎の中程から先によくつき、湿ると広げ、乾いてくると葉にくっつくようにすぼまります。
生育環境により葉の大きさや色に大きな違いが現れ、日当たりの良い場所のものは黄緑色で葉も小型になる傾向があるようです。
ウマスギゴケとオオスギゴケの違い
ウマスギゴケはオオスギゴケと姿形がよく似ており見た目では判断しにくいものです。オオスギゴケとの違いは胞子嚢の根元がくびれることと、湿原の縁など明るく湿った環境を好むことでしょう。
逆にオオスギゴケはウマスギゴケと比べ、木漏れ日が差し込む程度の暗い林床に群落をつくる傾向にあります。葉は黄緑色から濃い緑色。乾くと茎にそっと集まり、ごわごわとした筆の穂のようになるのはどちらの苔にも共通した特徴です。
スギゴケの育て方と増やし方
スギゴケの仲間は土をつけ塊のまま採取し、畑土に少し川砂を混ぜた用土を用い、やや深めに差し込むとよいでしょう。
毎年伸び続けるので、あまり伸びすぎると下からの新しい芽が伸びにくくなり、見た目にもよくないので、間引いたり、部分的に刈り込むようにしましょう。