苔玉にも利用されることの多いシノブゴケの好む環境と特徴、育て方についてご紹介いたします。
シノブゴケの好む環境と特徴
園芸では大型のオオシノブゴケ、トヤマシノブゴケ、アオシノブゴケ、ヒメシノブゴケなどがシノブゴケとして扱われています。
葉の形はどれも微妙に異なりますが、いずれも生育環境や全体の繊細な感じはほぼ同じと捉えて問題ないでしょう。
シノブゴケは日陰地の湿った地上や岩上、腐木上に群落を作り、横に這い、葉の緑色や特異な形が美しく、半日陰で適度な湿度があればよく育つ苔です。よって扱いやすく苔庭、苔玉、苔テラリウムなど用途は広い苔でしょう。
茎は1〜3回羽状に細かく平面的に分枝し、種類や生息環境により茎の長さや葉の大きさは異なりますが、葉はほぼ三角形で繊細な印象を受けます。
トヤマシノブゴケ
和名のトヤマとは戦後、若くして亡くなったコケ植物研究者にちなんだ名前で茎には毛葉が密生し、茎葉は先端が糸状に細く伸びますが顕微鏡やルーペを用いてじっくりと観察しないと違いは分かりにくいでしょう。
トヤマシノブゴケは全国の乾いたところに生える東アジア特産の苔で、湿った場所には熱帯から広く分布するヒメシノブゴケが生えて見事な住み分けをしています。
シノブゴケの育て方と増やし方
用土は畑土と川砂に樹皮培養土か腐葉土を混ぜます。張り苔法でもまき苔法でも良く育ち、石付けや木付けも定着しやすい苔ですので半日陰で適度な湿度が保てれば苔庭、苔玉、苔盆栽、苔テラリウムなど様々な場面に活用できる苔です。