ホソウリゴケの好む環境と育て方

2019年10月11日

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ホソウリゴケ

ホソウリゴケは小型のハリガネゴケ科に属しており、都市部のコンクリート壁などにも見つけることができる苔です。

都市部ではギンゴケやハマキゴケなどと同じような環境に自生しているため乾燥にも強い苔であることがわかると思います。

ホソウリゴケの好む環境と特徴

ホソウリゴケは、ハリガネゴケ科に分類される小型の蘚類で、都市部から山間部まで幅広く見られる身近なコケの一つです。

名前に「ウリゴケ」とありますが、ウリゴケ科ではなくハリガネゴケ科に属している点は、分類上よく誤解されやすいところです。

街を歩いているとコンクリートの隙間や塀の表面、道路脇の石垣などにびっしりと広がっている緑の絨毯のような姿を目にすることがありますが、その多くがこのホソウリゴケか、よく似たギンゴケであると言われています。

生育環境の特徴

ホソウリゴケ

ホソウリゴケが好むのは、日当たりの良い場所です。

直射日光が当たるような明るい環境でもしっかりと育つたくましさを持っており、アスファルトの隙間やブロック塀、コンクリート製の構造物の表面など、他の植物が根を張りにくい過酷な場所でもコロニーを形成します。

都市部ではギンゴケやハマキゴケといった、同じく乾燥や大気汚染に強い種類と混生していることが多く、これらは総じてタフな性質を持つコケとして知られています。

人の生活圏の中でも特に人工物の多い環境に適応してきた種類と言えるでしょう。

乾燥への強さと季節による姿の変化

ホソウリゴケ

ホソウリゴケの大きな特徴のひとつが、乾燥への耐性の高さです。

コケ植物には根がなく、仮根と呼ばれる部分で体を固定しているだけで、養分や水分の吸収は葉を含む体全体で行っています。

そのため水分が不足すると一時的に休眠状態のようになり、見た目にも変化が現れます。

寒い季節には青々とした色合いのコロニーを形成する一方、暑く乾燥しやすい季節になると葉が茶褐色に変色する姿もよく観察されます。

そのような状態は枯れてしまったわけではなく、乾燥に耐えるための一種の防御反応であり、雨が降って水分を得ると再び緑色を取り戻すという性質を持っています。

よく似たギンゴケは乾燥すると銀白色に変わるのに対し、ホソウリゴケは乾燥した状態でも緑色を保ちやすいという違いがあり、この点は両者を見分ける際の手がかりのひとつとされています。

蒸れやすい環境への弱さ

乾燥には強い反面、ホソウリゴケは高温多湿の環境や風通しの悪い場所には弱いという一面も持っています。

小型のハリガネゴケ科特有の密生した生え方をするため、株と株の間に湿気がこもりやすく、蒸れが原因で傷んでしまうことがあります。

屋外の自生地であれば風が通り抜けるため問題になりにくいのですが、鉢植えや容器の中など閉鎖的な環境で育てようとするとこの蒸れやすさが育成の難しさにつながることがあります。

日当たりが良く、なおかつ空気の流れがある場所を好むという点は、この種の生育条件を考えるうえで欠かせない要素です。

ホソウリゴケの拡大写真

ホソウリゴケの育て方と増やし方

ホソウリゴケを自宅で育てる、あるいは増やしていく方法にはいくつかのコツがあります。

乾燥そのものには強い苔ですが、育成には独特のポイントがあるため、順を追って見ていきましょう。

栽培容器と置き場所の選び方

ホソウリゴケを育てる際にまず気をつけたいのが、容器選びです。

密閉性の高いガラス容器やテラリウム、ボトルのような環境は、この苔にとって決して得意な場所ではありません。

湿度がこもりやすいこうした容器の中では通気不足になりやすく、蒸れて傷んでしまう可能性が高くなります。

そのため、開口部の大きな鉢や浅い器など、風がしっかり通り抜けるオープンタイプの容器を用いるのが基本です。

盆栽鉢との相性も良く、味わいのある陶器に植え付けて楽しむ方も多いようです。

光については、直射日光を好む性質がある一方で、長時間にわたって強い日差しに当て続けると葉焼けを起こしやすいという一面も持っています。

南向きの窓辺など明るい場所を選びつつ、真夏の一番強い日差しが長時間当たり続ける環境では、少し工夫をして和らげてあげると安心です。

夏場は涼しく風通しの良い場所へ移動させ、逆に気温が落ち着く冬場はできるだけ日当たりの良い場所に置いてあげると青々とした状態を保ちやすくなります。

水やりの基本

水やりに関しては、乾燥と湿潤を繰り返すような管理が向いています。

毎日欠かさず霧吹きでたっぷりと水を与えることで、ビロードのような美しい緑色を維持しやすくなりますが、常にじっとりと湿った状態を保ち続けるのは禁物です。

乾いたらたっぷり与え、その後は自然に乾く時間を作るというメリハリのある水やりが、根を持たないこの苔にとって心地よい環境につながります。

夏場に水を与える場合は、気温が高い日中を避け、朝方や夕方の涼しい時間帯に行うと蒸れを防ぎやすくなります。

肥料については吸収する器官を持たないため基本的に不要で、むしろ与えすぎると株を傷める原因になります。

撒きゴケによる増やし方

ホソウリゴケは他の苔と比べて生育の早さが特徴で、撒きゴケという方法でよく増えることが知られています。

まず育苗箱などの容器に、赤玉土の細粒と川砂を混ぜた用土を用意します。

採取してきた株はよく水洗いし、コロニーの中に潜んでいる虫や卵などを丁寧に取り除いておくことが大切です。

数日間、密閉した袋の中に入れて虫が出てくるのを待つという方法も実践している方が多いようです。

用土の上に細かくほぐした苔を均一に撒いたら、その上に赤玉細粒や川砂を混ぜた目土を薄くかけます。

さらにキッチンペーパーなどを重ねて霧吹きでたっぷりと水を含ませ、乾かないように保湿を続けます。

ペーパーが乾いてきたら、その都度水を足していくという作業を繰り返しながら、柔らかな日差しの入る場所で管理します。

順調に進めば、およそ1ヵ月ほどで小さな芽がぽつぽつと顔を出し始めます。

芽が確認できるようになったら、ペーパーは取り除き、以降は乾燥しすぎない程度に霧吹きで水分を補っていく段階に移ります。

撒きゴケに適した時期については明確な決まりはありませんが、雪の降らない時期であれば概ね可能で、なかでも春や秋が比較的安定するという声が多く聞かれます。

移植による増やし方

採取してきた塊をそのまま増やしたい場所に植え付ける方法もあります。

この場合は、コロニーをできるだけ崩さず、下についている古い土を洗い流したうえで新しい用土を敷いた場所に置いていきます。

採取の際には薄いプラスチック板や平鍬のような道具を使い、コロニーを地面からはがすようにして持ち上げると仮根を傷つけにくく作業がしやすくなります。

植え付け後はしばらくの間、乾燥させすぎないよう注意しながら定着を見守ってあげてください。

丸く広がったコロニーが安定してきたら、風通しの良い環境を保ちながら、蒸れに気をつけて管理を続けていきます。

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