
スナゴケの好む環境と特徴、育て方についてご紹介いたします。
スナゴケの好む環境と特徴
スナゴケは河原や山地の日当たりの良い砂質の土や岩の上、石垣などに黄緑色の群落を作り、適度な水分を保てる場所であれば直射日光が長時間当たるところでも問題なく元気に育つことができる好日性の苔です。
スナゴケのそのような性質から都市部などの屋上緑化素材としても用いられることも多く、ヒートアイランド現象軽減に貢献している素晴らしい苔でもあるのです。

日当たりの良い場所が好きで乾燥には非常に強い反面、日差しの弱い木漏れ日の差し込むような林床などにはあまり見られない苔です。


スナゴケの育て方と増やし方
スナゴケの特徴として、茎は直立し高さ2〜3cm程度で不規則に枝を出し、仮根はあまりつけません。
葉は茎にたくさんつけ先端は灰白色で不透明になり、植物体全体は黄緑色で胞子体はあまりつけずに地下茎で増えていく苔です。
庭では日の当たる明るい場所を選び、畑土と川砂を半々程度と多めに混ぜた用土に塊のまま少し深く差し込み移植するとすぐに生長を始めます。
生長が早く強い苔なのでまき苔法で植え付けてもそれほど難しくないでしょう。
石付けにするときは小さな塊を窪みにケト土で固定します。目土はいずれも川砂を多めにし、あるいは川砂単体を薄くまくようにします。
スナゴケを上手く育てる環境のイメージはまさしく河原です。もし近所に川があるようでしたら観察に出かけて見てはいかがでしょうか。

スナゴケの好む環境を肌で感じる事で育成のコツをつかめるかもしれません。またもしかしたらその場にもスナゴケが生育しているかもしれません。
このようにスナゴケは苔の中でもかなりの好日性なので室内での管理は少々難しいかもしれません。
アクアテラリウムなどでは光源の下に置くようにしてしっかり光を確保してあげると上手く育てることができます。
ナガエノスナゴケ
スナゴケの仲間は水はけの良い土壌を好む傾向が強く、砂の混じったような土を好む上に、好日性の種が多いのであまり山の中などでは見かけることのない苔です。


ただ、スナゴケの仲間の中でも、このナガエノスナゴケは山の中でも見つけることのできるスナゴケと言えるでしょう。
茎の長さは20cmくらいまで延びることもある大型のスナゴケで、半日陰の湿った岩上に群落を作ります。

河原などに生えるスナゴケよりも湿度を好むため、室内育成やアクアテラリウムにも向いており、色合いも全体的に濃緑色をしているので見栄えがします。
しかし、通常のスナゴケに比べると市場での流通量は少なく、販売されているものを入手するのは少々難しいかもしれません。