ヒカリゴケが光る理由と仕組み

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ヒカリゴケ

苔の中でも独特な存在感を誇るヒカリゴケ。なぜヒカリゴケは光るのか?ヒカリゴケの光る理由や仕組みについてご紹介いたします。

ヒカリゴケの魅力

自然界において光を放つものは何故かしら人の興味を惹くものです。光を放つ生き物と言えばまず挙げられるのがホタルでしょう。

日が沈み暗くなった里川に優しく光を放って飛ぶ蛍の姿を見て感動を覚える人も多いはずです。

しかし、もしホタルがもともと光を放たない生き物だとしたらどうでしょう?里川にいる一昆虫に過ぎないホタルは今ほどの知名度は無いはずです。

このことは苔の世界でも同じで苔のことはあまり知らないし、どんな種類の苔がいるのかも全く知らないという人でもヒカリゴケは知っているということも多いものなのです。

実際に見たことはないけれど名前は聞いたことがあるなんて人も多いでしょう。

北日本などでは苔が光るという珍しさから観光名所になっているところも少なくないほどです。

そんな苔の仲間でも知名度の高いヒカリゴケですが、ヒカリゴケの光る仕組みについて触れてみるとそのメカニズムはあまり知られていないようです。

ここではそんなヒカリゴケの光る仕組みについてご紹介致します。

ヒカリゴケはホタルなどの発光とは違う

ヒカリゴケはホタルなどと違い夜になると光る訳ではなく、薄暗い穴の中など太陽の光が薄っすらと差し込むような場所で光っています。

この「薄暗い」ということがヒカリゴケが光る上で大切な要素であり、真っ暗な穴の中や太陽が沈んだ夜、逆に太陽の光がギラギラ当たるような場所では光りません。

ヒカリゴケの光はとても弱々しい光で見る角度や天候によってはほとんど輝きが無いほどです。

一番よく光るのは太陽を背にして穴を覗き込んだときで、ある特定の角度になると一番明るく見えます。

このことからわかるように、ヒカリゴケは自分から発光するのではなく、日光を反射して光るだけなのですが、そこにはヒカリゴケが生き抜くための素晴らしい仕組みがあるのです。

ヒカリゴケが光る仕組み

ヒカリゴケの本当の植物体は、白っぽい薄緑色でとてもナヨナヨした体つきをしており、この植物体自体は全く光りません。

光って見えるのは植物体が生えている地面の方で、肉眼ではよくわかりませんが、実はこの地面の表面にはヒカリゴケの原糸体が薄い膜のように広がって生えているのです。

原糸体の顕微鏡写真を見ると、細長い糸状の原糸体の他にたくさんの円盤状の細胞が目立ちます。

この円盤状の細胞では、黄緑色の葉緑体が1箇所に集まり、ちょうどレンズのような働きをして、穴の入り口から差し込んでくる光を反射します。

これが太陽が無ければヒカリゴケは光って見えず、またその光が黄緑色をしている理由です。

なぜ他の苔にはほとんど見当たらないこんな奇妙な仕掛けが発達したのかはよくわかっていません。

強いてその理由を挙げるならば、ヒカリゴケが生える薄暗い場所でわずかな光を効率的に利用できるように集光レンズのような葉緑体が生まれたのでしょう。

原糸体は地面上に広がっていますから、もし他のコケ植物や草木がその場所に侵入してくると、競争に負けて原糸体は無くなってしまいます。

もともと強い光が苦手な薄暗い場所を好む苔なのでしょうが、他の種との競争を避けて洞窟の奥深く、わずかに光が届くところを常の住処としているのでしょう。

ヒカリゴケ生育地の光条件を調べた研究例では、原糸体がよく繁殖しているのはおよそ40〜100ルックス、他の植物には適さない薄暗さの場所でそれ以上明るいと他の苔やシダなどが生えてきてしまいます。

日本で初めてヒカリゴケが見つかった場所

日本で初めてヒカリゴケが見つかったのは、1910年長野県北佐久郡岩村田町という場所で、ここは日本最初の発見地ということで国の天然記念物に指定されています。

1916年に埼玉県の吉見百穴でも見つかり、ここもまた国の天然記念物に指定されています。

その後はあちらこちらで見つかっており、北陸や中部地方ではそれほど珍しいものではなく、よく探せば大岩の隙間や土がえぐれたような場所、あるいはウサギ穴の奥などに少量ですが見つけることができます。

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