ギンゴケはコンクリート塀の地際や石垣など街中でも一番よく見られ苔の一種です。
ギンゴケは都会の雑踏などの過酷な環境を生き抜くだけあって乾燥や大気汚染にも非常に強い特徴をもっています。
ギンゴケの好む環境と特徴
石垣などでは同じような環境を好むホソウリゴケやハマキゴケと混在しているのをよく見かけます。
育成には土8割、砂2割、石灰を少々の割合でブレンドした用土を使用するといいでしよう。
ギンゴケの名前の由来ともなっている先端の白い部分は葉緑体を含まない細胞で構成されており透明尖(とうめいせん)と呼ばれています。
透明尖は葉緑体を含まず白い為に光を反射させる効果があり、水分の蒸発を抑える効果があるとされています。
光合成に必要な光をわざわざ反射させてしまうことは薄暗い木漏れ日のような場所に生息する苔にとっては無意味なことでしょう。
しかし真夏の直射日光が当たるような過酷な環境に生息するギンゴケなどにとっては過剰な光は光合成の阻害にも繋がってしまうためにあえてそのような防衛手段を取り入れているのです。
その為、過剰な光を反射しつつ、水分の蒸発も抑えるといった透明尖の働きはギンゴケにとって必要なものとなっています。
さらに高山に生える苔には透明尖や葉緑体を含まない透明な細胞からなる構造をもつ種類が多いことは紫外線から身を守る意味もあるのかもしれません。
ギンゴケの育て方
ギンゴケは他の苔に比べて日当たりの良い場所を好むため、室内で育てる場合には陽の当たる窓際などに置いてあげましょう。
ギンゴケは細かい葉が密集して水分を保持しやすいため乾燥には強いのですが、逆に暑い時期に多量の水分を与えると蒸れてしまいますので注意が必要です。
ギンゴケを上手に育てるコツは湿度が高くなり過ぎないように通気性を確保しながら、たっぷりの光を当ててあげることです。
よって室内での苔ボトルなどでは育てにくい苔と言え、苔盆栽などで太陽の光がしっかり当たる場所においてあげるようにしましょう。
近年では苔をテラリウムなどに用いる手法も流行っていますが、苔の中でも密集度が高く、高湿度をあまり好まないギンゴケはテラリウムには不向きの苔と言えます。
自然界でギンゴケの生えている場所をよく観察してみるとギンゴケの好む育成環境のヒントが見えてきます。
池や川などの水辺よりも乾燥しきったような道路脇などでよく見かける苔のはずです。