自然の中に苔採取に行きたいけれど苔採取に適した時期があるのでしょうか?そんな疑問にお答えします。
苔は季節を問わず採取できるけれど・・・
苔は春夏秋冬問わず採取することができます。しかし採取後の植え付けや生長をを考えたら真夏と真冬の苔採取は避けたほうが良いでしょう。
苔は寒さにはめっぽう強く、凍りついても枯れることはほとんどありませんが、一定の温度条件下では休眠状態に入ってしまうためにほとんど生長せずに定着にも時間がかかってしまいます。
逆に気温が上昇する真夏も苔にとっては過酷な季節となります。
よって採取による環境の変化にも対応できるようにエネルギーをしっかり保持できる季節に採取したほうがその後の苔の生長にも良いのです。
写真は雪降る里山に苔散策に行ったときのものですが、このように雪が積もっても苔は枯れずに耐え忍んでいるのです。
流石に雪積時期にコケ採取に行くのはあまりおすすめできませんが、このようにどの時期にでも苔は採取できるということなのです。
苔採取には人に害を与える生物の存在も
苔が元気よく成長する時期はヒルなどの生物も活発に活動する時期でもありますので、林の中や山の中に入って苔を採取する場合にはヒルなどの人に害を与える生物が冬眠している晩秋や初春を狙って採取するのもいい方法かもしれません。
どうしても生物たちが活発に活動する時期=苔も綺麗な姿を見せる時期ですので、そのような時期に採取をするのであれば虫よけスプレーやヒルよけスプレーなどを活用するとよいでしょう。
高温多湿の真夏の採取では生長は鈍り、環境の変化と蒸れにより茶色く変色して枯れてしまうことがよくありますので注意が必要です。
苔採取に最適な時期とは
苔採取は通年を通してできることですが、最適な時期となるとやはり冬が過ぎ、春を迎える頃の3月~5月頃となるでしょう。(地域により気温の変化があるので地域差はあります。)
山の木々や下草などがやっと芽吹きだした頃が実は苔にとっての最盛期となるのです。
初夏を迎え草木が勢いを増してくると苔達は多くの草木の勢いに負けて隠れるようになってしまいます。
逆にまだまだ草木の勢いが弱い時期なら太陽の光を遮るものも少ないので光合成をたっっぷり行うことができるのです。
雨の日の次の日など山々にたっぷりと水分が供給された4月の暖かい日などに苔散策にでかけると非常に綺麗な苔をたくさん見ることが出来ます。
一年を通した苔の成長
自然界における苔の成長を一年を通してみていきましょう。ただ日本全土では北海道から沖縄まで季節による気温差にも大きな差がありますのでここでは関東地方を目安にご説明いたします。
代表的なセン類の1年
まず冬季である11月から2月くらいまでは気温の低下と霜などで植物体全体が凍りついてしまうこともありますのでこの時期はほとんど変化はなく、ただ暖かい季節が来るのをじっと耐えています。
3月になると蒴柄は帽の下端辺りから次第に曲がり、同時に胞子体の先端が膨らみ始めます。
4月頃になると蒴の膨らみはさらに増し、帽は避けて脱落します。4月末から5月頃には胞子体全体が褐色になり、蓋が外れて中から胞子が散布されます。
そして暖かい季節に新しい若い芽が成長を続け子孫を増やしていき、また冬を迎えるまで盛んに成長していきます。
このように季節に合わせて姿を変える苔の様子を採取目的とは別に観察してみるのも楽しいものです。
季節の影響を受けにくい通販での購入
自然の中を歩き、四季の変化を感じながら苔採取を行うことは非常に楽しいことですが、全ての人がそのような環境に恵まれているとは限りません。
環境的要素からすれば、近くに自然がない、仕事が忙しくて休日にあまり時間が取れないなど。
季節的要素からすれば、寒い冬は苦手。熱い夏も苦手。じめじめした梅雨も苦手。・・・・・そんな方にお勧めなのが通販での苔購入です。
自然の中での採取に比べると品種が絶対的に少ないことは否めませんが、それでも最近では多くの種類の苔が販売されており、手軽に苔育成を楽しむこともできます。