
スギゴケは何植物?特徴は?
スギゴケの上手な育て方と増やし方とは?
スギゴケが育ちやすい庭とは?
スギゴケが苦手な環境とは?
こんなスギゴケの特徴と育て方に関する疑問についてご紹介いたします。
スギゴケは何植物?特徴は?
スギゴケの分類
スギゴケはコケ植物の一種で、スギゴケ科スギゴケ属に分類されます。
コケ植物は世界に2万種以上が存在しており、スギゴケはその中の1種です。
日本では、山地や平地など様々な場所に自生しているため、身近な植物と言えるでしょう。
スギゴケの茎と葉の特徴
スギゴケの葉は茎の中央から上部に多く付き、長さは約1cm程度で、放射状に配置されています。
ただし、スギゴケの仲間にも多くの種類があるため、大きなものは5cm以上になるものもあります。
また、葉の縁には小さな葉があるのが特徴です。
スギゴケの胞子体
スギゴケには雄株と雌株があり、胞子体は雌株にのみ見られます。
胞子体は5cm程度の長さの柄を持ち、雄株から受精した雌株に付きます。
胞子体の存在は、スギゴケを他の苔と見分ける上での重要なポイントと言えるでしょう。
スギゴケの質感と光への適応
スギゴケは他の苔と比べて、質感が硬くしっかりしているのが特徴です。
また、コケの中では比較的明るい場所を好む性質があります。
日陰でも育ちますが、健康的に成長させるためには一定の光が必要不可欠です。
スギゴケの上手な育て方と増やし方とは?
スギゴケに適した土選び
スギゴケを上手に育てるためには、適した土を選ぶことが大切です。
川砂、赤土、黒土や黒ボク土、山土、ケト土、樹皮培養土などがおすすめです。
特に大型のコケであるスギゴケは、林の腐葉土質を好むため、黒土を多めに使うのが良いでしょう。
また、一般的な苔の土として、ケト土と赤玉土を7:3の比率で混ぜたものも適しています。
スギゴケの植え付け時期と方法
スギゴケの植え付けは、真夏の暑い季節を除けば、1年を通して可能です。
特に3月から6月、10月頃が最適な時期と言えます。
植え付ける際は、水はけの良い土壌を準備し、水の流れや勾配を考慮することが重要です。
スギゴケの裏側にある茶色い部分(仮根)が土にくっつくようにし、植え付け後はたっぷりと水やりをします。
庭でのスギゴケの増やし方「はりゴケ」
庭でスギゴケを増やすには、「はりゴケ」という移植方法がおすすめです。
これは、ある程度成長したスギゴケのコロニーをスコップで掘り出して他の場所に移す方法です。
移植先の土には赤玉土小粒を敷き、スギゴケを密着するように置きます。
移植後はしっかりと水やりをし、元のコロニーの跡にも赤玉土を敷きましょう。
この方法は活着率が高いので、初心者でも取り組みやすい増やし方だと言えます。
苔テラリウムでのスギゴケの増やし方「茎伏せ」
苔テラリウムなど、スペースが限られている場合は、「茎伏せ」という方法で少ないスギゴケから効率的に増やすことができます。
まず、スギゴケを根元からカットし、1本ずつに分けます。
次に、先端を切って脇芽の発芽を促進します。
蓋付きの容器に赤玉土を入れ、その上にスギゴケを寝かせるように置きます。
仮根が土に埋まるようにすると発根率が上がります。
2週間に1度、霧吹きで水を与えれば、1ヶ月もすれば新芽が出てくるでしょう。
スギゴケが育ちやすい庭とは?
スギゴケが好む日当たり条件
スギゴケが育ちやすい庭は、半日陰から日向の場所です。
特に1日のうち数時間程度日光が当たる半日陰の環境が理想的だと言えます。
スギゴケは他の苔類と比べて日光に比較的強い種類ですが、真夏の強い直射日光には注意が必要です。
庭の中でも朝日や夕日が当たる場所や、建物や樹木の影になる場所などが適しているでしょう。
スギゴケに適した土壌環境
スギゴケが健康に育つためには、水はけの良い土壌を用意することが大切です。
庭の土が粘土質で水はけが悪い場合は、砂や腐葉土を混ぜて改良しましょう。
また、水の流れや勾配にも気を配り、水が溜まらないようにすることが重要です。
pH値は特に限定されませんが、あまり酸性に偏った土壌は避けた方が無難です。
スギゴケと相性の良い庭石
スギゴケは岩や石の表面にも着生することができます。
特に表面に凸凹のある自然石は、スギゴケの根を張りやすくするため、とても適しています。
庭石を選ぶ際は、スギゴケが着生しやすい質感や形状のものを選ぶと良いでしょう。
また、石組みとの組み合わせも考慮し、全体的なバランスを整えることが大切です。
スギゴケの生育を助ける管理方法
スギゴケが育ちやすい庭づくりには、適切な管理も欠かせません。
定期的な目土の補充や、数年に1度の刈り込みを行うことで、スギゴケの生育を助けることができます。
目土は真夏を過ぎた9月頃に行い、刈り込みは5〜6月が適期です。
また、雑草が生えてきた際は、早めに取り除くことも大切な管理の一つです。
スギゴケが苦手な環境とは?
極端に日当たりが悪い場所
スギゴケは他の苔類と比べると日当たりを好む種類ですので、極端に光が不足する環境では健全な生育が難しくなります。
日光が全く当たらない深い日陰や建物の北側で一日中太陽光が届かない場所などは避けましょう。
スギゴケは光が足りない状態が続くと、徒長したり、色あせたりする恐れがあります。
湿り過ぎや水はけの悪い土壌
スギゴケは湿り気のある環境を好みますが、湿り過ぎには注意が必要です。
常に水分が多い状態だと根腐れのような症状を起こしたり、カビが生えたりする原因になります。
特に水はけの悪い重粘土や水が溜まりやすい低地などは不向きでしょう。
スギゴケの生育には適度な水分が必要ですが過湿は厳禁です。
土壌が乾いてきたら水やりをする、という心構えが大切になります。
乾燥し過ぎる環境
一方で、乾燥し過ぎる環境もスギゴケにとって好ましくありません。
土が完全に乾ききってしまうとスギゴケが枯れてしまう恐れがあります。
特に真夏の強い日差しや冬場の乾燥した風などには注意が必要です。
スギゴケの葉が萎れ始めたら、そっと水やりをしてあげましょう。
ただし、葉が濡れた状態で強い日差しに当たると、葉焼けを起こす可能性があるので注意が必要です。
霜柱の発生する場所
冬場にスギゴケが植えられている場所に霜柱が発生すると、スギゴケが土から剥がれてしまうことがあります。
霜柱は、地面の水分が凍って持ち上げられる現象ですので、スギゴケの仮根を傷めてしまいます。
霜柱が発生しやすい場所では、防寒対策を行うか、別の場所での栽培を検討しましょう。
霜柱によって剥がれたスギゴケは、春先に元の位置に戻してあげると再び活着させることができます。
スギゴケの特徴と育て方まとめ
- スギゴケはコケ植物の一種で、日本各地に自生している身近な植物である。
- スギゴケの茎は硬く枝分かれせず、葉は放射状に配置され、雌株には胞子体が見られる。
- スギゴケを育てる際は、水はけが良く日当たりの良い環境を選び、適した土を用いることが大切。
- スギゴケの植え付けは真夏を避け、春から初夏、秋が適している。
- 庭でスギゴケを増やすには「はりゴケ」、苔テラリウムでは「茎伏せ」が効果的な方法。
- スギゴケは半日陰や日向を好み、表面に凹凸のある庭石との相性も良い。
- 湿り過ぎや乾燥し過ぎる環境、霜柱の発生には注意が必要。